| 死 夢 （二十句） * |
| 風吹けば 風吹くままに 枯尾花 |
| 寒林を 抜けて貧居に 帰りつく |
| 梅咲きて 老いが命を 惜しみけり |
| 待ちわびて 花はまだかと 訪ね来し |
| 艱難も 辛苦もありて 花の道 |
| 人はいさ 心も知らず 花ぞ散る |
| 花筏 崩るる際の 速流れ |
| 芳しや 崩れかけたる 花薔薇 |
| 沙羅散りて 一弦琴の 響きけり |
| 閑さや 闇夜にしづむ 合歓の花 |
| 凌霄花 余生軽ろしと 思ふべし |
| 蜩や 人の命の はかなくて |
| 落蝉の 亡骸軽ろし 夕山河 |
| 生き死には 星の流るる ごとくして |
| 年経れば 乾く悲しみ 芙蓉の実 |
| 死ぬときは 笑みてゆきたし 夕紅葉 |
| 我もまた 土に還える身 落葉踏む |
| 鉢植の 向き替へなほす 小春かな |
| 大仏の 面輪やさしき 冬日向 |
| 十二月 夕日静かに 沈みけり |
俳子の「守破離」俳句 |
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