炎 帝 (二十句) * |
ふるさとの 骨身にしむる 溽暑かな |
噴水や 鳩は駅舎の 翳を出ず |
夾竹桃 日は中天に 動かざる |
炎帝や 亡者のごとく 街を行く |
油照 にんげんの皮 垂れさがる |
夏天炎ゆ 死人石に 影刻み |
顔欠けし 被爆地蔵や 夏の陰 |
黙深し 慰霊碑遠き 木下闇 |
西日さす 被爆ドームの そこひにも |
大落暉 落蝉はみな 腹を上に |
蝉時雨 同じ忌日の 無縁骨 |
ヒロシマや 川さかのぼる 流灯も |
神さびし 灯蛾ドームの 闇に落つ |
安らかに 眠るは難し 極暑の夜 |
百日紅 被爆隠して 母卒寿 |
紺朝顔 老いても母は 母なりき |
なににでも 優しくなれる 原爆忌 |
噴水や 雨降る街の 静かなる |
虹あらば 兵戈はいらじ 吾子二十歳 |
夏終る 雨に煙らふ 夕山河 |
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