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          秋…水霜を 気にもとめずに 犬走る

          冬…菜畑に 霜置く頃や 里の夜
            霜降るや 晧月千里 星万里

            山里に 霜降る夜や 星あまた
            降る霜の 浮遊霊めく 星の夜

            霜降るや 星の雫を 凍らせて
            風熄みて 霜降る峡の 星仰ぐ

            満天の 星のこゑ聞く 霜の夜
            満天に 星座組まるる 霜の夜

            満天に星あり 地には霜の花
            霜白し 清貧といふ 貧しさに

            霜の夜や 細き気息の 穴ふたつ
            風絶えて 深き霜降る 峡の里

            霜降るや 闇漆黒に 濡るるとき
            霜降るや 首なし佛は 闇に泣く
            霜夜行く うしろの闇に せかされて

            農小屋の 屋根にとりつく 霜のこゑ
            強霜や 塩ふくごとき トタン屋根
            強霜の ケージの鶏の 湯気卵

            息つめて 君がこゑ聴く 霜の夜
            親と子の 溝は埋まらず 霜の夜

            霜の夜の 玻璃一枚の 内と外
            灯さねば 心も凍つる 霜の夜
            霜の夜や こころはげしき 人と会ふ

            霜の夜や 情けなければ 人ならず
            ひとり酒 霜のこゑ聞く 夜なれば

            膝抱きて 眠りに落つる 霜の夜
            残月や 名もなき草の 霜光る

            霜枯れの 丘に弔旗 ひるがへる
            霜枯れて 死にゆくものの プログラム

            草の葉の かがやく鎧 霜の花
            笹の葉の 平らに霜の 花盛

            うらぶれの 野末の草に 霜の花
            霜枯の 畑を農婦の 背の円く

            霜とけて 葉先こぼるる ひと雫
            霜とけて 池に足したる ひと雫

            落城の あるじ永らふ 深霜夜 (花隈公園)
            極星は 動かず大地 霜冴ゆる

            悲しみの 極まる果ての 霜の花
            霜の墓 生死を隔つ ものありや

          春…忘れ霜 地図にものらぬ 山城に
            草陰へ 融け流れてや 別れ霜    俳子



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