枯    野   *

           冬…枯山に 続く枯野の 遠からず
             枯野行く すがるる草を かきわけて

             人恋へば 枯野の果の 空真青
             淋しめば 枯野の放つ 群雀

             末枯野 後を思はず 旅に出づ
             枯野行く 道なき道を あてもなく

             ゆきゆきて 枯野の景の 外に出でず
             枯野末 道は無窮に 続くがに
             大枯野 いつもどこかに 風の韻

             枯野にも なほ枯れ残る ひと処
             ときをりは 鵲噪鴉鳴 大枯野

             草蔓に 足をとられて 枯野なか
             敗兵の 落ちゆくやうに 枯野行く

             末枯野 引き返すには 遠すぎて
             夕枯野 孤影長きを 引きずりて

             迷ひ来て 影を失ふ 枯野かな
             夕暮れて 夢は枯野に 消えゆける

             日落つれば 枯野が末の 風尖る
             風蕭蕭 枯野に星の 青き夜は

             枯野行く 貧しき背ナを 風に見せ
             蕉翁が 夢の彷徨ふ 枯野面

             蕉翁が 枯野四方に 果てはなく
             枯野行く 芭蕉を超ゆる 夢を追ひ

             くだら野の 虜囚となりて 彷徨へり
             くだら野や 歩きてゆかむ 野末まで

             またの世の 褥にせんか 枯野末
             枯野行く 我もいつしか 枯野色


             枯野行く わが位置知らす 端末機
             枯野行く 無人戦闘 車輌かな


             枯野行く 大字小字 番外地
             世をはづれ 道をはづれて 大枯野

             野垂れ死ぬ 覚悟はあるか 枯野行く
             枯野末 山猿俳子 ここに死す

             枯れ果てて 野末の草は 根にかへる
             道絶ゆる 先は枯野の あるばかり

             四方枯れて 風嘯々の 野となりぬ
             四顧茫々 空の低きに 枯野星

             くたら野に 日溜り少し 鳥すだく
             枯るるは枯れ 朽つるは朽ちて 春を待つ    俳子



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