秋  刀  魚  *

          秋…目は蒼く 口先黄色 初さんま
            蒼海の 色そのままに 初さんま

            ハンサムも ぶさいくもあり 初さんま
            煮て喰おか 焼いて喰おうか 初さんま

            火に脂 炎に煙 さんま焼く
            荒ぶ火に 秋刀魚あぶらの にじみ落つ

            脂汁 出ればそろそろ 焼秋刀魚
            魚屋の猫や 秋刀魚の香をかがず

            魚の目に 目蓋はあらじ さんま焼く
            さんま焼く 生あるものは みな叫ぶ

            新さんま 焼けば焦げゆく 海の青
            青さんま 焼かれて失する 海の色

            甘き香の 煙が中の 秋刀魚かな
            日ノ本の 香り懐かし さんま焼く

            いさぎよく 秋刀魚焼かるる 真一文字
            さんま焼く ほどよきほどの 焦げ目つけ

            海の香の 立ちて秋刀魚の 焼きあがる
            さんま焼く 虫も殺さぬ 顔をして

            下町の 一膳飯屋 さんま焼く
            さんま焼く 九尺二間の 裏長屋

            さんま美味 火焔地獄を くぐりきて
            新さんま 半分づつの 夕餉かな   俳子


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