八    月  *

          秋…八月や 忘れやすきを 繰り返し
            騙されて 騙されてまた 八月に

            八月や 恥骨失せなば 再軍備
            戦前の 八月が来て 黙深し
            八月や 逆さ睫毛が 気にかかる

            忘るるな 八月の空 炎えしこと
            忘るるな 破鏡に映る 八月を

            八月や 忍苦が末の 無一文
            八月や 鍋釜すらも 奪はれて

            純情の をのこみな死す 秋初月
            八月に 死して万歳 骨水漬く

            八月や 三百万の 墓標立つ
            八月や 武勇におごる 者が果て

            八月の 折り皺深き 記憶かな
            八月の 記憶や黒く 塗りつぶす
            八月の傷や 瘡蓋とれもせず

            八月や 問はねど語る 被爆譚
            八月や 人の形に 影残る
            八月の 死の影白く 雨黒し

            八月の 重苦しさを 払ひかね
            八月の 光集めて 祈るひと

            八月や 問はず語りの 老寡婦に
            八月や ああナガサキの 鐘が鳴る

            今年また 六日九日 敗戦忌
            八月十五日だけの 反戦家

            八月の亡霊 白き影をもち
            八月の墓に 声なく眠る骨

            八月や 失ふものは なにもなく
            八月の 光のなかへ 帆を広ぐ    俳子

            JR三ノ宮高架橋の機銃掃射痕
   線路側(写真向こう側)から海側(南方向)に向けて機銃掃射された痕

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