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           夏…うすものの 薄き影ひく 宵明かり
             うすものの 透けて女体の 息づける
             うすものに 透けて女の 水心

             薄衣に 隠しきれざる 首が皺
             柔肌を 隠しきれざる 夏衣

             薄衣の なかの生身が ほの疼く
             薄衣を まとひて煙に 巻きしひと

             権威より 異端が好きで 軽羅きる
             軽羅きて 胸板薄き 無頼派に
             白地着て 戦中戦後 生きし人

             皺多し 男やもめの 薄ごろも
             羅や 貧しき背ナを 隠せざる

             薄衣を ぬぎて薄皮 一枚に
             羅や 中身も薄き 我なれば


             甚平に 胸毛似合はぬ やさをとこ
             甚平や 亭主無口で いかり肩

             甚平着て 浮世離れの 啖呵切る
             甚平着て 女難の相と いふ不思議

             膝打ちて 立てば甚平 皺多し
             甚平や 立てばがに股 かに歩き

             甚平着て 痩せ脛さらす やさをとこ
             甚平や 短足なるを 恥ぢもせで

             麻服の 皺の気になる 逢瀬かな
             麻服の 皺をのばしつ 見合せり

             引く波や 見るもド派手な アロハシャツ
             シャイにして 形状記憶 アロハシャツ

             アロハシャツ 齢隠せる はずもなく
             ひとり身や 開襟シャツの 襟黄ばむ
             夏シャツをたたむ 色紙折るやうに

             サンドレス 空きし肩より 羽伸ばす
             躾糸なしや 手作りサンドレス    俳子

                貫 頭 衣

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