梅   雨 ( 2 )  *

            夏…有馬里に 降りみ降らずみ 梅雨の雨
              梅雨深し 昼を灯して 有馬湯屋

              梅雨の宿 墨痕太き 書を飾り
              梅雨の夜の 底ひに低き RADIOの音

              梅雨深し 明日の淵瀬の 定まらず
              深梅雨の 底ひに沈む 家二軒

              梅雨深し 巷を抜くる 風重し
              深梅雨の 苔にしみいる 雨無音

              梅雨深し 盃を重ねて 酒酸くし
              梅雨の夜や 手足冷たき まま眠る

              ものうげに 猫抱くをみな 梅雨深む
              深梅雨の 暗き小部屋に 君笑ふ

              梅雨深し くもる鏡の 裏のぞく
              梅雨深し 無煙火薬の 臭ふ夜

              梅雨激す 空に線状 降水帯
              をちこちの 山河ずたずた 梅雨出水

              梅雨寒や 荒瀬すじなす 濁り水
              さみだれて 裏六甲の 濁り水

              五月雨や 大樹の幹を 伝ひ落つ
              飛石の ときに途切れて 梅雨の川

              梅雨久し 砂防ダムにも 溜まり水
              さみだれて 池に水の輪 水の紋

              水の上 越えて水行く 梅雨の川
              岩を越え 水ほとばしる 梅雨の川
              激ちては 岩にはじける 梅雨の川

              雨に雨 重ねて暗き 梅雨の谷
              足早に 通り過ぎたる 出水跡

              トンネルの 奥まで濡れて 梅雨末期
              梅雨冷や 山の湿りを 持ち帰る

              さみだれて 玻璃戸をつたふ 荒しづく
              夜闇に 雨筋白き 梅雨の底

              目鼻なき 地蔵に泪 梅雨末期
              梅雨明くる 強雨一過の 雷鳴に

              梅雨明けや 軒端に残る 忘れ傘
              雨明けて 尋常ならぬ 夏となる    俳子

                   梅雨の川

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