麦  の  秋  *

          夏…竹槍隊 模して行進 麦の秋
            缶蹴りに あきて夕暮れ 麦の秋

            母の前 駈くる幼な子 麦の秋
            幼少の 頃思ひ出す 麦の秋

            手を振れば そこがバス停 麦の秋
            麦の秋 乗合バスに 客ひとり
            麦秋や ゐなか電車が がたごとと

            よろづ屋が 村に一軒 麦の秋
            だまし屋の 駄菓子十円 麦の秋

            穂の先の 風平らかに 麦の秋
            目離せば 雀寄り来る 麦の秋

            畦入りて 喉むず痒き 麦の秋
            美しく 老ゆるは難し 麦の秋

            畑ごとに 色を違へて 麦の秋
            麦秋や 藍那棚田に 入日さす
            山里の 夕日にあまる 麦の秋

            胸詰まる ほどの君が香 麦の秋
            麦秋や いまだ癒えざる 傷心

            日の屑の 乾くにむせて 麦を刈る
            麦刈りて 我は畑の子 火輪の子

            麦秋や 歩けば楽し 鄙の道    俳子



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