蝸    牛  *

          夏…横這ふも 逆さに這ふも かたつぶり
            ででむしの 首曲げてより 向きを変へ

            葉の濡れて なほ降る雨や 蝸牛
            抜きんでて 速度超過の 蝸牛

            ででむしの 一心不乱 枝余す
            ででむしの 動くともなく 這ひ進む

            枝先に止む でで虫の 全力走
            ででむしの 這ひどころなき 枝が先

            でで虫の ゆるりと下る 枝梢
            今ここに あること確と 蝸牛

            右は三木 左は須磨や かたつぶり (藍那・長屋門)
            かたつぶり 左ひよどり 右は須磨 (藍那・相談ヶ辻)

            いざ須磨へ 一ノ谷坂 かたつぶり (須磨 一ノ谷)
            かたつぶり 角突きおうて 覇を競ふ

            ででむしや 近畿八州 股にかけ (摩耶山)
            気がつけば 行方知れざる 蝸牛

            大陸を 横断中の 蝸牛
            夢見るは 地球一周 かたつむり
            でで虫や ここはまだ富士 三合目

            万歯もつ 妖怪獣や かたつぶり
            でで虫や 尖りて硬き 万歯もち

            ででむしの 角だす頃や 雨後の庭
            ででむしや 雨雲低き 雨後の空

            角ふりの でで虫しばし 立ち往生
            でで虫の 腹足伸びて 砥粉色

            点と点 結べば線や 蝸牛
            いづこより いづこへ這ふや 蝸牛

            動きても 動かざるかに 蝸牛
            遅々として でんでん虫の 歩をやめず

            家自前ででむし 無宿なめくじり
            海鳴りの わが耳奥の かたつぶり

            ででむしの 糞をたるるは 殻が中
            かたつぶり 鳥に喰はれて 殻残す

            ででむしの 脱殻軽ろし 干乾びて
            ででむしの 雨降らざれば 殻籠り    俳子





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