時     鳥   *

         夏…山里の 寝落ちし頃や 時鳥
           山里や 時鳥また ほととぎす

           暁闇の 深きをほぐす 時鳥
           夜の帳 開きて鳴けや 時鳥

           湯の宿に 一番声の 時鳥
           雲をぬぐ 月に鳴くなり 時鳥

           時鳥 東天いまだ 明けざるに
           時鳥 未明しじまの 高みより

           黎明の 今こそ鳴けや 時鳥
           払暁の とばり払へや 時鳥


           鳴かざれば ゐるやも知れず 時鳥
           鳴かざれば 何をか言はん 時鳥

           気を長く 待てば鳴くなり 時鳥
           鳴かぬなら それもよかろう 時鳥

           ほととぎす わが敵ゐるは 本能寺
           ほととぎす 本能寺には 魔物棲む

           うつし世に しるき名をなせ 時鳥
           闇に鳴き 乱世を嗤う 時鳥


           声高し 貌まで見せて 時鳥
           ダンディーや 横縞胸の 時鳥

           時鳥 こゑ清くして 音痴なる
           鶯声の 顰みに倣ふ 時鳥

           放吟の われに習へや 時鳥
           時々は 便りをくれと 時鳥

           見目美しく ゆるやかに 飛ぶ時鳥
           鳥啼きて 六甲の里 明易し    俳子




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