蛍 ( 1 )  *

          夏…暮れ残る 空に星あり 蛍待つ
            蘆生ふる川や 蛍の棲むといふ

             ほうたるの 飛ぶか飛ばぬか 川面闇
             とく見よと 指差す見れば 蛍の火

            初蛍 水より出でて 火をともし
            蛍火の 息の合ふかに 点滅す

            交はらず 離れもせずに 蛍の火
            恋唄を 闇に競へば 火の蛍


            蛍火や 君とゐる闇 うつくしく
            蛍火や 細き流れを 闇に置き

            川闇に 現れては消ゆる 蛍の火
            蛍火の 消えつ灯りつ 漂ひぬ

            せせらぎの 音を頼りに 蛍追ふ
            蛍狩 さびしきひとの 手を引きて

            蛍追ふ 闇うつくしき 川辺道
            幸うすき をみなの目にも 蛍の火

            息細き 心の闇に 蛍飼ひ
            前世には 蛍なりしと いふ女

            うつしみの 内と外とを 蛍飛ぶ
            さびし夜は 蛍となりて 迷ふとや

            闇川に かりそめにひく 蛍の火
            蛍火の ひとゆらぎして 草の上へ

            しあわせと 思へば消ゆる 蛍の火
            蛍火を のせて草の葉 しなひ揺る

            妻恋ひの 思ひ深しか 恋蛍
            草陰に 潜みてよりの 恋蛍

            川の辺の 腐草変じて ほうたるに
            ほうたるの 群れなす川辺 草深し

            柔らかに 両手につつむ 蛍の火
            君が手の 届くところに 草蛍

            草蛍 いのちのほのほ 燃えたたせ
            草蛍 光りて闇を さびしうす


            わが胸に ほうほうほたる 飛んで来い
            ほたる来い 手のなる方へ 飛んでこい
            わが指に とまれや籠の 姫蛍

            灯す火の 細くか弱く 蛍籠
            飛んでゆけ 籠より放つ 恋蛍

            真すぐには飛べず 闇夜の恋蛍
            乱れ髪 つくろふころや 蛍の夜

            胸奥の 残れ火揺るる 蛍の夜
            もの言はば すぐにぞ消えむ 蛍の火


            蛍火の 濡れてゐるかに 筋をひき
            蛍火の 一筆書きの ふととぎれ

            蛍火の 失せて残りし 闇一枚
            ほうたるの 命かけたる 恋ならむ    俳子

    ホタル 写真はフリー写真ブログもってって!さんからお借りしました

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