昼    寝  *

          夏…明日がある 今日はひとまづ 大昼寝
            天国に 近きあはひに 大昼寝

            微笑して 薄目午睡の 寝釈迦仏
            お大師と 同床同夢 昼寝人

            五尺余の 細身ひとつ 三尺寝
            この星の 幾千年を 三尺寝

            大昼寝 活断層を 背ナに敷き
            セシウムの 半減期ほど 長昼寝
            長々と 孟浩然の 昼寝かな

            水平に 風の墜ちゆく 深昼寝
            死に人の ごとくにまろぶ 素手素足

            目つむりて あの世に迷ふ 昼寝人
            口あけて この世さまよふ 昼寝人

            大夢見る この世の端に 昼寝して
            遊ぶべし 華胥が昼寝の 夢の中


            縁先の 昼寝いつとき 下衆の楽
            囁くは 風か佳人か 昼寝覚

            老いらくの 恋を夢見し 昼寝覚
            黒猫の 駈けて昼寝を 覚まさるる

            夢見しは 蝶か荘子か 昼寝覚
            あめつちの あはひにひとり 昼寝覚

            身の寝ねて右脳左脳の 昼寝覚
            昼寝覚 いびき寝言も 知らぬげに
            昼寝覚 のつぺらぽうの 面さげて

            宿六や 午睡があとの 生あくび
            昼寝覚 見果てぬ夢と いふはなく

            荘周の 昼寝覚めれば 胡蝶の間
            昼寝より 覚めて驚く 百畳間

            大の字の 昼寝覚めたる 四畳半
            寝て一畳 座せば半畳 夏座敷

            目をあくる 人形のごと 昼寝覚
            昼寝覚 ピントのあはぬ 古眼鏡

            昼寝覚 黄ばみて古き 菱畳
            目覚めれば 昼寝長者が 夢の跡

            唐突に 神を疑る 昼寝覚
            昼寝覚 果報は寝ても 来たらざる

            釈尊いま 足裏に風の 昼目覚
            昼寝覚 猫も知りをる 風の道    俳子

     バンコク最古の歴史を持つ寺院 ワット・ポー(涅槃仏寺)の寝釈迦像

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