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         夏…腹浮かせ 四肢ふんばりて 蟇歩く
           街路行く 天下御免の 蟇蛙

           小さくも 夜鳴き空鳴き 蟇のこゑ
           蛇出でて 身じろぎもせず 蟇うなる

           どや顔の 蟇が一匹 舌を出す
           なにごとも なきかに蟇の うづくまる

           鳴く蟇に ありさうでなき 喉仏
           蟇鳴くや 闇の陰影 深むかに

           諍ひは 池にもありて 蟇の恋
           雌に乗り 雄は蹴とばす 蟇合戦
           楽珍や 雌の背にのる 蟇の雄

           ダボ服に タイト水搔き 蟇潜る
           蟇蛙 ぶさいくなのに かはゆくて

           蟇笑ふ 大口開けて 反り返り
           戯画なれば 蟇も後ろに 反り返る

           腹撫でて やれば腑抜けの 蟇が貌
           ひきがへる 池ある庭の 主にして

           古池に 跳び込む蟇の 後ろ脚
           ひきがへる 座せば古武士の 面構へ

           面太し 仏の池の 蟇
           池の端に 動かぬ蟇の 面構へ

           蟇 にもある自恃の 志
           うづくまる 蟇の貫禄 揺るぎなし

           蟇鳴くや 人は岩木に あらざると
           喩ふれば 濁世を笑ふ 蟇の声

           蟇腹を 撫でては嗤ふ 大男
           蟇老いぬ 大海を知る 由もなく

           四つ這ひて 呵々大笑の 蟇
           耳塞ぐ 蛙鳴蝉噪 なりしとも   俳子



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