余 花 / 葉 桜  *

         夏…藪漕ぎの 難所を抜けて 余花一樹
           摩耶山の 道に迷ひて 余花に遇ふ

           みどりなす 万樹が中や 余花一花
           崖上の余花や 誰をも寄せつけず

           相老の旅や 日暮れて余花に遇ふ
           余花といふ ほのか明りに たどりつく

           薄れゆく 面影追ひて 余花に逢ふ
           暮がての 名残りをしきは 余花の雨

           花咲くを 忘れし頃や 余花の雨
           晩鐘は 淋しかりけり 余花の雨

           一目見て 忘れがたきは 余花残花
           余花一輪 老俳人の たなごころ

           観音の 御手に慈愛の 余花一花
           余花なれば 散るも添物 めくことに


           晩年は 晴れのち曇り 花は葉に
           落ちぶれし 名家が庭や 花は葉に

           肩寄せて 逃るる戦禍 花は葉に (ウクライナ戦争)
           見る景の 変はれば乱世 花は葉に

           玉手箱 開ければ煙 花は葉に
           花は葉に 旅より帰る 哀しさに
           花は葉に また来年も 会ひませう

           池の面の 影の移ろひ 花は葉に
           静か世の 生々流転 花は葉に

           なにごとも なきかに花は 蘂や葉に
           花は葉に 娘は母に なるといふ

           人生まれ 人また死せり 花は葉に
           道遠く 命短し 花は葉に


           葉桜や 風を迎ふる 形して
           葉桜の 枝葉ぬけくる 風青し
           葉桜も 入れて名もなき 雑木山

           葉桜に なりて整ふ 庭の景
           葉桜の 影に安らふ 老いごころ

           葉桜や 神童才子 只の人
           葉桜や ソメイヨシノは 実をなさず

           葉桜や 早逃げ玉を 詰めきれず
           葉桜や 人に知れざる 恋をして

           葉桜の 日の斑明かりに 乳母車
           葉桜や 朱塗りめでたき 生田宮

           葉桜や きのふはきのふ けふはけふ
           なにごとも なきかに花は 蘂や葉に   俳子


           しあわせの村日本庭園の枝垂桜(葉桜)

            生田神社の八重桜(葉桜)

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