牡  丹 ( 1 ) *

         夏…ぼうたんの 玉蕾白く 天を向き
           それまでは 咲かず君待つ 牡丹かな

           緋牡丹や 色をほどきて 香を放つ
           ぼうたんの 色きはやかに 咲きにける

           うす絹の 光まとへり 初牡丹
           今生の 色をこばみて 白牡丹

           色花の あまたはあれど 白牡丹
           これよりは 花王薫香 牡丹咲く

           ふりそそぐ 日にぞたゆたふ 白牡丹
           日あたりて 庭の牡丹は 白尽す

           神苑に 神慮に叶ふ 白牡丹
           光てふ 光返して 白牡丹

           日に揺れて 月に鎮むる 白牡丹
           月光に 神々しくも 白牡丹

           百咲いて 牡丹の白の ゆるぎなし
           一花にて 牡丹長者の 誉れあり

           優雅なり 花神が選ぶ 白牡丹
           ぼうたんや 天姿婉美を 誇るかに

           ぼうたんの 白に濃淡 ありにけり
           花ひだの 影だに持たず 白牡丹

           一重八重 千重が大輪 ぼたん園 (明石・薬師院)
           ぼうたんの 花影ゆたかに 薬師院

           白牡丹 見れば見るほど 惚るるほど
           仮の世の 色にしあれど 緋の牡丹

           ぼうたんや 襞の深きに 虫宿す
           恍惚と 牡丹の芯に 虫ひとつ
           ぼうたんの 花ひだ深く かくれんぼ

           富貴草ゆるれば 胡蝶みだれ舞ふ
           早逝の 君を思へば 深見草

           白牡丹 痩身佳人 座するかに
           夜の色に 沈みてしずか 白牡丹

           眼福を 満たすに足りし 牡丹かな
           地に近く 咲きて牡丹の 富貴高貴

           黒み帯ぶ 紅の色して 黒牡丹
           黒牡丹 黄色どぎつき 花芯もち

           紛乱の 色を排せり 白牡丹
           慈悲に色 あれば即ち 白牡丹

           白牡丹 いのち燃やすも 静かなる
           緋牡丹は 花襞よりも 金の芯

           緋牡丹や 博徒のやうに 風を切り 藤純子主演『緋牡丹博徒』
           仁義なき 博徒の背にも 緋の牡丹

           緋牡丹や これぞといへる 句をなせず
           まばたきを するな牡丹の 褪するまで

           ぼうたんに 人は寄りても 蝶寄らず
           牡丹より 離れがたきを 知る夕べ

           牡丹にも 男時女時の ありぬべし
           牡丹咲く 君老いたまふ ことなかれ    俳子






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