牡     丹   *

             夏…ぼうたんの 玉蕾白く 天を向き
               それまでは 咲かず君待つ 牡丹かな

               うす絹の 光まとへり 初牡丹
               これよりは 花王薫香 牡丹咲く

               日あたりて 庭の牡丹は 白尽す
               光てふ 光返して 白牡丹

               優雅なり 花神が選ぶ 白牡丹
               ぼうたんや 天姿婉美を 誇るかに

               白牡丹 見れば見るほど 惚るるほど
               ぼうたんの 白に濃淡 ありにけり
               花襞の 影だに持たず 白牡丹

               白牡丹 痩身佳人 座するかに
               夜の色に 沈みてしずか 白牡丹

               眼福を 満たすに足りし 牡丹かな
               地に近く 咲きて牡丹の 富貴高貴

               ぼうたんの 色きはやかに 咲きにける
               ぼうたんを 咲かせていつも あるじ留守

               緋牡丹や これぞといへる 句をなせず
               まばたきを するな牡丹の 褪するまで

               ぼうたんの 咲き疲れてや 香りたつ
               ぼうたんの 萎るは佳人 病むがごと

               牡丹にも 男時女時の ありぬべし
               牡丹咲く 君老いたまふ ことなかれ

               牡丹散る 惚れた腫れたも 五六日
               崩れさうで 崩れぬ刹那 牡丹散る

               ぼうたんの 白の極みに 崩れ落つ
               終の香に むせて崩るる 牡丹かな

               牡丹散る 愛に疲れし ひとのごと
               百年の 恋もさめたり 牡丹散る

               はからずも 崩れて牡丹の 花終る
               終りまで 知らぬが仏 牡丹散る    俳子



                                    

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