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             冬…寒鶯や 歌思ひても 声も出ず
               笹鳴きを 顳顬で聴く 杣の道

             春…一ノ谷 二ノ谷渡れ 春告鳥
               ややありて 一声高し 匂鳥

               鶯の 一声清く 谷渡る
               花見鳥 須磨ノ浦より 須磨寺へ

               鶯や 朝靄深き 谷蔭に
               鶯の 見えみ見えずみ 定めなく

               鶯の 人来れば鳴く 背山道
               鶯の 木末(こぬれ)伝ひに 鳴きにける

               天辺に 近き梢や 花見鳥
               鶯の 天下に適ふ 高美声

               菊水の 山うぐひすの 声自慢
               鶯や 拙きもゐて 歌宴

               鶯の こゑ遠まきに 杣の道
               遠鶯 色あるやうな なきやうな

               鶯の 鳴けど匂はぬ 庭木立
               指呼すれば 鶯すでに そこになく

               鶯の 糞をばつけて 顔美白

             夏…老鶯や この枝あの枝と 移り鳴き
               老鶯の 好む木立の あるらしく

               老鶯や 妻呼ぶこゑの 臈たけて (異人館・萌黄の館)
               老鶯や 萌黄館の 声美人

               老鶯や 谷深うして 水清し
               老鶯の 地鳴き高鳴き 谿こだま
               老鶯の こゑ美しく 見目悪しく

               老鶯を 鳴かせて森の 盛りなる (菊水山)
               老鶯や 一天青き 頂に    俳子



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