落 花 (1)  *

        春…いくつもの 光こぼして 桜散る
          咲き満つる 今この刻に 花ぞ散る

          人はいさ 心も知らず 花ぞ散る
          さくらさくら さくらのはなの ちりぬるを

          花散るや 風立ちやすき 灘が坂 (灘区高尾通)
          ときをりは 風立ちをりて 花吹雪

          散る桜 風にまぎれて 谷に落つ (布引)
          布引や 桜散るにも 歌心

          花散るや 山城跡の 草の上 (滝山城址)
          咲くは咲き 散るは散りてぞ 城の花 (花隈城址)

          枝に葉の 出初むるころや 桜散る (再度公園)
          散る花の しばしとどまる 風の道

          湯の宿の 日暮れを急ぐ 飛花落花 (有馬温泉)
          簪に 飛花落花の 艶姿

          ひとひらは 武人が像へ 桜散る (有馬温泉・湯けむり広場)
          死ぬときは ずばり死ねよと 散る桜

          千年の 落花を今に 須磨古刹 (須磨寺)
          咲きてはや 敦盛桜 散り急ぐ (敦盛胴塚)

          敦盛の 花の奈落の 五輪塔
          須磨訪はな 敦盛桜 散らぬ間に

          落武者の 肩に花散る 塩屋道 (塩屋)
          裸眼より こぼるる花や 闇へ散る

          常なれと 願へば花の 散りやすし
          落人の 無縁塚へと 残花散る

          飛花落花 供割事件 勃発地 (三宮神社)
          訳ありて 訳なきごとく 桜散る

          ほろほろと 散りて綻ぶ 花の春
          拙速を 尊ぶなかれ 落花急   俳子

             再度公園の池に散る桜

          第62回大和郡山お城まつり 2023.4.1

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