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           春…蛙鳴く 水の揺らぎの ある辺り
             古池の 淀みて蛙声 かまびすし

             古池や ドレミファソラシ 泥蛙
             田地ごとに 違ふ高低 かはづ鳴く
             放棄田の 声だけデカき 痩せ蛙

             捨て田いま 蛙や蝌蚪の 王国に
             泥蛙 鳴きて耕作 放棄田

             蛙鳴く田あり 農継ぐ人はなし
             男減り 田畑も減りて 蛙鳴く

             蛙つがふ 半濁音の 声あげて
             ふくらめば 透けて蛙の 喉ぶくろ

             蛙鳴く ありさうでなき 喉仏
             田も動け 空ゆるがせて 蛙鳴く

             フルートの 音にあはせて 蛙鳴く
             フルートの 音の高まれば 子蛙も

             新池や 蛙ためらふ 水の淵
             おのが影 ぬぎてとびこむ 沼蛙

             唐突に 水驚かす 蛙かな
             水乱る 蛙とびこむ 二三匹
             奥池や 蛙とびこむ 音空に

             靴音に 蛙逃げこむ 水の音
             沼池や 蛙逃げこむ 泥けむり

             蛇出でて ぴんぴんころり 擬死蛙
             山吹の 陰にて蛙 影もたず

             古池や 蛙泳げば 水ねばる
             古池や 浮寝蛙の 水眠る

             目借時 池にもおはす 阿弥陀仏
             目借時 沼面に消ゆる 泡ひとつ

             目借時 たたきて直す 呆け頭
             ワニ殿も 借りをり蛙の 目借時

             白き腹 見せては跳べり 昼蛙
             小悪魔の つぶやきに似て夕蛙

             森深く 水の清きに 赤蛙
             幅跳びの 名手や日本 赤蛙

             白光る 水の裏より 蛙の目
             愛らしや 反り目蛙の 喉仏

             蛙鳴く 沼の水銹に 顔出して
             水痩せの 沼の蛙や 声低し

             赤子泣く 声にあはせて 蛙鳴く
             蛙鳴く 月夜の沼の 水光る

             鳥影や 浮き寝蛙の 逃げ迅し
             浮き蛙 失せて目玉の 残りけり

             しまひこし 臍の緒さがす 目借時
             人は尾を 蛙は臍を 持たざりき

             蛙には 尾柱人には 尾てい骨
             臍隠せ 痩せ蛙には なるまいぞ

             立尿の 放物線下 かはづ鳴く
             手をついて 蛙二匹の 睨みあひ

                             鳥獣戯画 二足の蛙 前を見ず
             蛙反る 御尤もとは 思へども

             先生と もてはやされて 井の蛙
             門前の小僧 蛙の声を読む

             わびる気の なくて蛙の 土下座かな
             へそ曲り 爺にへそなし 蛙かな

             鳴きごゑの どこか間遠き 昼蛙
             夕蛙 ひねもす鳴きて 飽きもせず
             遠蛙 家で赤子が 泣いてゐる

             死は白し かはづ仰向け 大の字寝
             古池に ふやけて白し 死に蛙    俳子

              トノサマガエル

              ニホンアカガエル

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