初 蝶 * 春…這ふ虫の 止まれば蛹 飛べば蝶 寄る指に ピクンと動く 蝶蛹 蝶生まる 月光匂ふ 暗がりに 透き通る 風のあなたに 蝶生まる 岐阜蝶や 蛹の殻を 破り出づ 蝶震ふ 命さづかる 一刹那 蛹より 蝶出づるごと 君は裸に ヴィーナスや 春の泡より 生まれ出て 羽あらば この世まぶしか 蝶生まる 黒味帯ぶ さなぎ羽化して 岐阜蝶に 光より 生まれて蝶は 空に舞ふ 羽閉ぢて 開きて閉ぢて 蝶飛びぬ ひかり野へ 蝶はてふてふ 飛んでゆく 遥か来て 空に吸はるる 蝶ひとつ 開け放つ 光の小箱 蝶出づる 幾万の 初蝶いづる 玉手箱 翔ぶものに 空は明るし 初蝶来 蝶なのか 淡き光に 飛びたつは 初蝶の はかなく飛びて 影持たず 白亜紀の 彼方よりかや 初蝶来 白亜紀の 野より連なる 蝶の列 どの花も はじめての花 初蝶来 少年の 双眸澄めり 初蝶来 初蝶の ひとつと見れば ふたつ三つ 初蝶や 佳き日佳き時 佳き場所で 初蝶や 風につまづき 抗し発つ 初蝶や 光しづくを こぼし去る 初蝶に 遇ふは一瞬 飛び去れり 初蝶の 影より花の 彩離る 初蝶の いまだ触れざる 花の芯 初蝶の 去りても残る 光かげ 初蝶の 野に紛れてや 失せやすし 俳子 |
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蝶の幼虫 |
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アゲハチョウの幼虫が蛹になるところ 体を支えていた糸が切れて落下。蛹になるのに失敗した幼虫。 |
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