花    筏  *

         春…やはらかな 川面をゆたり 花筏 (琵琶湖疏水記念館)
           列なして 琵琶湖疎水の 花筏

           花筏 こぼちて琵琶湖 疎水船
           落花受く 川の流れに 遅速あり

           水音に 揺れつ流るる 花筏
           川上へ 雲は流れて 花筏

           散れば寄り 寄れば離るる 花筏
           できかけて 崩れてできて 花筏

           でき易く こぼち易きや 花筏
           いざよひつ 早みつ花の 屑流る

           行かないで 流れ早きに 花筏
           添ひたしと 思ふに別れ 花筏

           真すぐには 水は流れず 花筏
           瀬に早み 淵によどみて 花筏

           丸杭の 影の形に 花筏
           花筏 杭の幅だけ つながらず

           無念てふ 重しをのせて 花筏
           取水の 堰に崩るる 花筏

           水淀み 水また流れ 花筏
           行きよどむ 川漂流の 花筏

           花筏流れて 川面の光失す
           花筏流れて 岩を置き去りに

           花筏 一分法師を 上に乗せ
           まぼろしの ひとをものせて 花筏
           花筏 潰える際の 早流れ    俳子




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