蝶 ( 1 )   *

            春…蝶生まる 月光匂ふ 暗がりに
              透き通る 風のあなたに 蝶生まる

              岐阜蝶や 蛹の殻を 破り出づ
              ひかり野へ 蝶はてふてふ 飛んでゆく

              這ふ虫の 止まれば蛹 飛べば蝶
              寄る指に ピクンと動く 蝶蛹


              少年の 双眸澄めり 初蝶来
              初蝶や 海音聞こゆる 洋館に

              初蝶の 影より花の 彩離る
              初蝶の いまだ触れざる 花の芯

              幾万の 初蝶いづる 玉手箱
              初蝶の 野に紛れてや 失せやすし


              待つ花と 蜜を求めて 寄る蝶と
              花に寄る蝶や 野辺に影置かず

              花に寄る 蝶の脚音 翅の音
              羽音より 更にかそけき 蝶の息

              花蜜に 伸びて縮みて 蝶の吻
              吸蜜の 蝶の口吻 巻きもどる

              弾むごと 花から花へ 春の蝶
              野の花に 触れては離れ 春の蝶
              春蝶の 背負ふ光の 綾乱れ

              紋黄蝶 去りてひらがな ちりぢりに
              岐阜蝶の 去りて光の 渦残る    俳子

                 キアゲハ

                 蝶の幼虫

          アゲハチョウの幼虫が蛹になるところ
     体を支えていた糸が切れて落下。蛹になるのに失敗した幼虫。

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