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  六甲全山縦走大会 2018 (2) 六甲全山縦走大会に参加して思ったこと
                  高齢者スポーツ〜長期ブランクの克服は可能か〜
 

 左写真は、俳子35歳(左)と70歳の時の記録

 「須磨浦公園〜菊水山」間の所要時間は、
     3時間36分(35歳)と6時間25分(70歳)でした。

 3年半、精一杯のトレーニングを重ねてきましたが、
    35年の空白を埋めることはできませんでした。

       高齢者スポーツ〜長期ブランクの克服は可能か〜

        六甲全山縦走大会参加の動機
           *老後の健康維持のために、3年半ほど前にウオーキングを始めた。
                 肥満が解消され、65kg近くあった体重が、3年半で 56kgになった。
           *日曜・祭日に、六甲山のいろいろな山路を歩いているうちに、
                 1/3縦走、1/2縦走が可能になり、六甲全山縦走にチャレンジしたくなった。
           *六甲全山縦走するには、スピード不足なので、
                 「30分のウオーキングと30分のジョギング」のメニュー(週 4回程度)を加える。
                 まだ現役で仕事をつづけているので、結構ハードだった、
                 この追加メニューを 1年続けても、スピード不足は解消されなかっただけでなく、
                 大会 2ヶ月前に体調をくずしてしまったけれど…、
           *六甲全山縦走は、
                 ・35年前に楽々できたことなので、参加すれば何とかなるのではないか。
                 ・今年、70歳になったので、その記念チャレンジを行い、
                  この3年半の練習の成果と限界がどのあたりにあるのか、
                  確認するのも悪くないのではないか。
           *この3年半、誰にも負けないくらい練習してきたのだから、やってやれないはずがない。
                 登りは時速 3〜4km、下りは時速 5〜6km、平均時速 4kmを維持して、
                 全行程を 15時間で走破するというプランで参加することにする。

        途中リタイアの衝撃
           *1/3縦走「須磨浦公園〜菊水山」は、何度か試走したことがあるけれど、
                 その時よりも悪いタイムしか出せなくて、しかもリタイアするしかなかった。
           *「須磨浦公園〜菊水山」間には、そこに固有のコース特性があって、
                 そこに多数の参加者が集中すると、長く渋滞したり、急にハイペースになったり…、
                 不規則に変化するので、事前に想定したような平均ペースで歩くことができなかった。
           *自分の身体能力をこえたハイペースを維持しようとすると、
                 どの時点かで身体的なトラブルが発生する(小生の場合は太ももの筋肉痙攣)。
                 山道を走っていて、太ももの筋肉が痙攣するのを、この3年半の間に二度経験していて、
                 塩分やミネラル、砂糖や水等の補給対策はしていたが、ほとんど効果はなかった。
           *六甲全山縦走は、全長 56kmの耐久レース。
                 人ひとりしか通れない細い道が続こうが、急な坂道があろうが、
                 前を行く人がのろまであろうが、後ろから俊足にせかされようが…、
                 それなりに、フェアにクリアして行かなければならない。
                 この耐久レースを完走するには、
                 レースペース、省エネ型スローペース、体力を回復する休憩の三ペースを
                 自在に使い分け、レースの流れにのれる能力を獲得できていないといけない。

        35年前にできたことが、なぜできない?
           *そりゃあ歳だからです。が、これでかたづけていたら、身は衰える続けるだけです。
           *まず、35年前と今回を比較してみましょう。
                 35年前…縦走路のどこも試走したことがなかった。
                       マラソンを4時間以内で完走できる能力があった。
                       結果は、「須磨浦公園〜菊水山」間のタイムは 3時間36分。
                             六甲全山縦走タイムは 11時間ちょうど。
                 今回…縦走コースを熟知している。
                     10kmを1時間で走ることができない。
                     結果は、「須磨浦公園〜菊水山」間のタイムは 6時間25分。
                          菊水山でリタイア。
           *35年前のレベルの、せめて半分位にはなりたいと、3年半前から必死の努力はした。
                 が、思い描いたような結果をえられなかった。 なぜ?

        練習方法に問題はなかったか?
           *35年前の練習場所は、家の近くの鈴蘭公園。
                 ここに一周 400mのジョギングコースがあって、何周も走った。
                 走る度に速くなり、走行距離の伸びた。
           *今回は、六甲山のいろいろな登山ルートと鈴蘭公園。
                 いろいろやるうちに歩行距離は伸びたけれど、
                 歩行速度はあがらず、走行の方は速度・距離ともに伸びなかった。
                 週 4〜5回程度の「30分のウオーキングと30分のジョギング」と
                 週 1回の山歩きという組合せの練習メニューが、ハード過ぎて、いけなかったのか?
                 いけないのだとしたら、どのような練習をしたらよかったのか?

        六甲全山縦走大会に参加してわかったことがある
           *小生と同じ位か、もっと歳上なのに、小生よりはるかに健脚な人がいる。
                 この健脚家と小生の違いはどうして発生したのだろう?
                 この答えはすぐにみつかりました。
                 この35年間の過ごし方が違ったのです。
           *小生は、40歳の時から25年以上もの間、マラソンはもとより、
                 鈴蘭公園一周のジョギングもしてこなかった。
                 ここ10年は、暇さえあれば、椅子に座ってパソコン(サイト運営)をやっていた。
           *高齢なのに健脚な人は、この間、小生とは違った努力をしてきたのだ。きっと。

        長期ブランクの陥穽
           *それなりの努力をしなければ、過去に簡単にできたことも、できなくなる。
                 そして、できなくなっていることに気づかなければ、それだけブランクが長くなり、
                 その間に失われるものは多くなり、それを挽回するのが難しくなる。
           *このような長いブランクによって生じた恐るべき欠落は、どうすれば回復できるのか?
                 小生は、長いことその解決策を見出せないでいました。

        長期ブランクからの再起
           *六甲全山縦走大会参加の直前の11月4日に偶然、NHKで
                 <アスリートの魂「38歳 未知の走りへ〜陸上・末續慎吾〜」>(再放送)を見ました。
                 末續慎吾さんは、200メートルの日本記録保持者。
                 世界選手権銅メダル、北京五輪 400メートルリレー銀メダルを獲得。
           *番組は、9年前に競技を離れた末續さんが年齢と向き合いながら再起していく、日々を追う。
           *年齢の壁を越えるべく、試行錯誤を重ねながら復活を果たしていく末續さん。
                 末續さんも、再始動直後に足の痙攣に悩まされた。
                 足の痙攣が起こるのは、100m走のスタートから 9歩目。
                 前傾姿勢から顔を上げて、さあこれから、という時。
           *末續さんによると、長いブランクがあると、肉体的能力が落ちるだけではなく、
                 脳の指令を細胞に伝達する交感神経の働きも鈍くなるらしい。
           *末續さんは、現役の時にやっていた練習を繰り返し行うだけでは不十分で、
                 同時に交感神経の働きを再活性化する必要があると、
                 格闘技者のトレーニング等を取り入れた練習も行って、再起をはかっている。
           *目から鱗が落ちる思いがしました。
                 小生は、30余年のブランクによって、脚力を退化させていただけではなく、
                 運動をつかさどる脳機能も、脳の指令を伝達する交感神経の働きも、
                 ともに鈍化させていたのだ !!

        これから実行していきたい再起プログラム
           *それでは、これからどうしたらいいのか、まだよくわかってはいないけれど、
                 少しだけ光明が見えてきたように思いました。
           *もう六甲全山縦走大会に再チャレンジはしないので、練習メニューは軽めに変更する。
                 たとえば、「30分のウオーキングと30分のジョギング」メニューは、
                 「60分のウオーキング」メニューにレベル・ダウンし、
                 そのなかで、速く歩く、走る、速く走る時間を、ほんの少しだけ入れる。
           *日常生活のなかで、意識的に動作を速くする時間を持つ。
                 たとえば、仕事をするとき、マイペースでやらないで、できるだけ手早くやる。
                 孫と遊ぶとき、自分のペースに孫を従わせるのではなくて、
                 孫のペースに合わせて動く。
                 俳句を作るとき、1時間に10句作るとかという、タイムトライアル俳句に挑戦する。
           *要するに、なんでもいい。自分に快適な「のんびりムード」で行うのではなくて、
                 そのなかに、意識的に素早く動く瞬間を入れる。
                 短い時間でもいい。計画的でなくてもいい。
                 そうしたいと思いついた時に、そうやってもいいなと思う時間だけ、素早く動く。
           *筋力を高める練習一本ではなくて、
                 それに脳力、交感神経力を回復させるトレーニングを加える。
                 この練習メニューを 3年間継続して、
                 35年のブランクで失ったものを少しずつ取り戻す。

        まとめ
           *「六甲全山縦走にチャレンジするのは年寄りの冷や水だ」と言われました。
                 「いやぁ、僕のは年寄りの氷り水です」と答えました。
                 「太もも筋肉の痙攣 !? それみたことか」と思われました。
                 「いやぁ、それは違うんじゃないですか」と言いたいと思います。
           *年を取ると、体のいろいろなに不具合が生じます。
                 「ご自愛のほどを !」と人は言い、医者は薬を処方する。
                 でも、これは違うのではないでしょうか。
           *いろいろな不具合を直せるのは自分だけです。自分の免疫力・治癒力だけです。
                 この免疫力・治癒力を高めるうる方法はひとつしかありません。
                 運動と栄養と休養の三者のバランスを保って生きていく、これしかありません。
           *運動と栄養と休養の三者のバランスをどうとるか、どのレベルに保つかは、
                 人によって違います。年齢によっても、その時々の体調によっても違います。
                 要は、その時の状況に応じて、「運動」「栄養」「休養」の過多は減らし、不足は補って、
                 三要素のバランスを保っていけばよいのです(そう簡単なことではないけれど)。
           *高齢者にとって難しいのは、「運動」をどのレベルで、どう維持するかです。
                 無理しないほうが良いと思う時、その人は「運動」の欠落の入口にいます。
                 「運動」の長期的な不足は、身体能力だけでなく、脳機能の低下も招きます。
           *小生は思うのです。「無理な運動」というのはない。「準備不足な運動」があるだけです。
                 また「運動のやりすぎ」というのもない。あるのは「疲労を蓄積させない努力の不足」だけです。
           *高齢者は運動の後の疲労を抜くのが難しい。意外と時間がかかる。
                 疲労を残したまま「運動」を続けると、運動能力があがらなくなり、最悪の場合は故障に至る。
                 が、その一方で、ある一定量以上の「運動」を継続して行わないと、
                 老化が日々、着実に進行する。これもまた、厳然たる事実です。
           *「歩く」を例にとると、高齢者は歩幅が狭く、回転速度が遅い。
                 若い人よりたくさん歩かないと「運動」にならない。
                 たくさん歩くと、疲労が蓄積しやすく、それを回復するのに時間がかかる。
                 高齢者は死の近くで生きているわけだから、残された時間はあまりない。
                 体力と脳力は日々、衰えていく。
                 このジレンマから逃れうる術はあるのでしょうか?
           *答えはあるようでない。が、ないようであるかも知れない。
                 軽い「運動」から始めて、長い時間をかけて十分に準備し、少しずつ「運動」を増やしていく。
                 そして、十分な休養をとることにも留意して、気長に「運動」を継続していく。
                 このありふれた方法でのみ、高齢者も適度な「運動」を維持できるかもしれない…。

        最後にひと言
           *六甲山縦走路はよく整備されていて、歩きやすく、また、いろいろな歩き方ができる山路です。
                 若い人はもちろんのこと、高齢者も大いに歩いてみたらいいと思います。
                 そして、力をつけたら、六甲全山縦走大会に参加して、
                 小生とは違った、グッド・ラックな縦走にチャレンジ !! です。

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     六甲全山縦走大会 2018


 (1) 俳子の古稀記念<六甲全山縦走>の記録
 (2) 六甲全山縦走大会に参加して思ったこと
      高齢者スポーツ〜長期ブランクの克服は可能か〜

 (3) 六甲全山縦走大会 コースガイド 須磨浦公園〜高取山
 (4) 六甲全山縦走大会 コースガイド 高取山〜市ヶ原
 (5) 六甲全山縦走大会 コースガイド 市ヶ原〜宝塚