2022年 夏 ( 13 ) * | |
481 | 泥飛沫 あげて独走 梅雨競馬 |
482 | 黴臭き 物置蔵の 明かり窓 |
483 | 黴臭し 昼でも暗き 座敷蔵 |
484 | 黴の世や 指皺むほど 手を洗ふ |
485 | 黴の世や 陰影深き 脳の皺 |
486 | 自画像を 剥がせば壁の 黴白し |
487 | 紙魚走る 古書にうごめく 万の文字 |
488 | 書架奥の わが青春の 書を曝す |
489 | 降りさうな 降らなささうな 梅雨曇 |
490 | 宿六も まがねも錆ぶる 梅雨湿り |
491 | 刃を砥げば はがねが匂ふ 梅雨くりや |
492 | 梅雨湿る けふもあしたも あさつても |
493 | ワイパーが 見開く街や 梅雨の夜 |
494 | 梅雨深し 智慧の道ゆく 女傘 須磨寺 |
495 | 振り向けば 振り向きてをり 梅雨の傘 |
496 | 梅雨暗し 頬に両手を 置く女 |
497 | 梅雨深し 病気捜しの 妻の愚痴 |
498 | 音なすは 雨垂ればかり 梅雨深し |
499 | 梅雨深し 目をつむりても 雨が筋 |
500 | 深梅雨の ジビエ解体 けもの臭 |
501 | 頂を 雲に隠くして 梅雨の山 |
502 | 致死量を 瞬時に越える 梅雨の川 |
503 | 山と街 呑みこむ龍や 梅雨豪雨 |
504 | 積乱雲群れて 線状降水帯 |
505 | 梅雨末期 なにも映さぬ 泥の川 |
506 | 選ばざる もしもの道に 沙羅の花 |
507 | 合掌の 蓮の蕾の ふくよかに |
508 | 蓮開く 秘むるものなき み仏に |
509 | 花びらに 釈迦を寝かせて 未敷蓮華 |
510 | 古代蓮 ながき眠りを ほどくかに |
511 | 全開の 蓮の花びら 十六枚 |
512 | 白蓮の 玉座にほとけ 葉に蛙 |
513 | 若くして 戦死せしとや 蓮の花 若くして戦死するのを「散華」といって美化した時代がありました。 散華とは、もともとは仏を供養するために華を散布することで、 蓮の花を撒き散らして清め、仏を迎えるためのものでした。 |
514 | 蓮の葉や 銀の雨つぶ 落ちもせで |
515 | 蓮池に 白き花浮く 夕まぐれ |
516 | 晴れの日や 花魁草の 花五弁 |
517 | 梅雨明や 天辺も咲く 立葵 |
518 | 立葵 齢に負けし 背を正す |
519 | 梅雨明けて 終の世に置く 忘れ傘 |
520 | 雨明けて うだりぐだりの 永き夏 |
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