2022年 夏 ( 10 ) * |
猛獣も 腑抜け腰抜け 大暑来る |
熱砂落ち 時を失ふ 砂時計 |
おのが身も 大地も熔くる 暑さかな |
鱧の皮 身を削るなら 垂直に |
瀬の音を 耳の馳走に 夏料理 |
潮騒の 音も馳走や 夏料理 |
辣韮噛む ぽりぱりぽりと 音立てて |
辣韮の 鱗茎幾重 丸呑みす |
鉛刀の 一割で足る 水羊羹 |
乱食ひの 歯形恥づかし 水羊羹 |
プルタブを 引けばシュワツと ビール湧く |
気疲れを ビールにとかし 呑む夕べ |
うつし世の 憂さに乾杯 生ビール |
冷酒や 二人袴の 手が惑ふ |
冷酒は 腹胃に重し 反吐を吐く |
西郷どんの 甘藷焼酎を 呑みなんせ |
氷水 乾きし喉に ほの甘く |
かき氷 一匙ごとに 目を閉ぢて |
赤き舌 見せて笑ふ子 かき氷 |
しゅわしゅわの 拍手喝采 ソーダ水 |
残り物 なんでも入れて 冷蔵庫 |
クーラーや 反対の声 縮こまる |
冷房のききて 同調会議果つ |
目つむれば 肌にひんやり 氷室風 自然体感展望台 六甲枝垂れ |
心にも 浮力はあるか 浮いて来い |
幾たびも 浮きては沈む 浮いて来い |
夏山や おむすびひとつ 頬ばりて |
雲海の 上を仙人 軽々と |
海霧濃しや 船影ひとつ 現れて消え |
雲白し 遠泳の子ら 一列に |
遠泳や 十七文字の 広き海 |
遠泳す 胸鰭背鰭 尾鰭なく |
水と身が ひとつになりて 水潜る |
泳ぎ女や 人魚のやうに 水に舞ふ |
素潜りや 海響耳を 圧すまで |
プール出て だるくて重き 手足かな |
水上スキー 海に一筆 啓上す |
白き帆を かかげて夏を 颯爽と |
ゆくりなき 風に傾げり ヨットの帆 |
はるかなる ものに張る帆や ヨット航く |
星見ゆる 海の限りを ヨット航く 堀江 謙一氏(83歳)の太平洋単独無寄港横断 |
流れゆく 雲は天才 ヨット航 |
近づくと 見せて遠のく ヨットの帆 |
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