2022年 春 ( 9 ) * |
猪の 足跡著し 春の泥 |
春泥や 泥水にじむ 荒筵 |
凸凹の 凹ほど著き 春の泥 |
春泥や 歩幅を広く また狭く |
平靴の 置き処なき 春の泥 |
春泥を 越えて殺戮 戦車来る |
ゲルニカの 馬が驚く 春泥土 |
春泥に まみれて無惨 戦車隊 2月24日、ウクライナへの軍事侵攻を開始したロシアは、 無人砲塔システムを採用する戦車アルマータT-14を有する にもかかわらず、キーウ地上戦において手痛い敗北を強いられた。 |
春泥の 先も春泥 行き惑ふ |
春泥や 長靴履けと いはれても |
春泥に 手を差し伸べて くれぬ人 |
春泥に 足を取られて 彼が胸 |
春泥を 駈けてホームへ 滑りこむ |
勝鬨や 春泥つきし ユニフォーム |
粘土より 粗きシルトも 春泥に |
春泥を 捏ねて金色 土饅頭 |
靴重し 谷の春泥 踏みてより |
春泥の靴や 乾きてなほ落ちず |
霾や 涙目渇く 昼下り |
しののめの かひやぐらめく 摩天楼 |
海上に 浮く街揺れて 蜃気楼 |
海ゆかば 都市が屍か 蜃気楼 |
住みたきは 沖つ都や 蜃気楼 |
霞立つ 山の向ふに 山ありて |
春雷や 空を抜け落つ 雨が粒 |
二輪草 恋に恋する 乙女子に |
君子蘭 君子孤にして 孤にならず |
鎌首を もたげるやうに 蝮蛇草 |
椿落つ 一瞬紅き 水撥ぬる |
敗走の 兵が足音 つばき落つ 塩屋・源平合戦戦歿者供養塔 |
山椿 落ちて地の紅 天の紅 |
花びらの たがが外れて チューリップ |
たんぽぽの 丈低くして 根ぞ深し |
たんぽぽを 摘みて少女の 野辺となる |
たんぽぽや 須磨アルプスが すぐ傍に |
蒲公英の絮に 大和の原広し |
転ろぶ子を 容れて深々 うまごやし |
やまと春 天平の色 野に映えて |
けふのみの 春と思へば 野に出でて |
遠足の 隊列長し 捻ぢれもし |
目で食べて はや充腹の 春の膳 |
春窮や 青空食べて 飢ゑしのぐ |
春窮や 飢ゑれば細る 慈悲心 |
春窮の 昔を今に 義民の碑 新兵衛石 |
芽を出せや 花となれやと 種を蒔く |
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