2022年 新年・冬 ( 2 ) * |
せりなづな すずなすずしろ 後言へず |
三遷のはは 校庭の薺摘む |
せりなづな すずなすずしろ 粥が白 |
七草の みどり走れり 粥が中 |
ゆづりはや 余白の多き 自前遺書 |
幼には 切るに切れざる 鏡餅 |
水餅の 水の濁りに 気の沈み |
水餅や 焼けば膨れて 湯気蒸気 |
幸少し 福も少しや 宵戎 |
山茶花や 肩をすくめて さやうなら |
山茶花の 散るか散らぬか 夜の道 |
腹ペコの ふくら雀が 樹に群れて |
電線の ふくら雀が 風に泣く |
嗚呼ああと 嘆くでないぞ 寒鴉 |
白きもの 集めて寒き 田の面かな |
老骨の 髄までしむる 寒さかな |
奥須磨の 雪夜の闇に 翁面 車大歳神社 |
漆黒の 空が蓋する 里の冬 |
黒革の 手帖はこちと 黒手袋 |
怪しくも 市内某所に 黒マスク |
マスクして 笑ひ失ふ 人となる |
妻帰る マスクで隠す 内緒ごと |
マスクして 顔半分の 海坊主 |
マフラーや 首締むるには 軟すぎて |
吊るされて 革外套の 腑抜けやう |
着ぶくれて 老躯に帯ぶる 静電気 |
身ぶくれの 上に着ぶくれ 老深し |
身ぶくれに 着ぶくれを足す 老盛り |
懐手 智者不言と うそぶきつ |
無精ひげ 撫でてよりかや 懐手 |
小銃を しのばせ竜馬 懐手 |
声あげて泣きつ 水洟すするひと |
水洟や 餓鬼大将の 袖が先 |
嚏すな 活断層が 動きだす |
寒朝や 今も解かざる 心の喪 2022.1.17 |
怒りても 諦めゐても 息白し |
悴めり 子の手を包む 母の手も |
狼の あと追ふやうに 人滅ぶ |
ああでもなく こうでもなくて 霙かな |
海しぶく 奥須磨さぞや 雪ならむ |
地吹雪や 白が視界を 突き抜ける |
肉球の 跡が点々 雪の朝 |
風雪の 稜線長し 攀じ登る |
雪嶺や 登りえずして 帰り来し |
柔らかに 音なく積もる 飛騨の雪 飛騨白川郷 |
雪吊の ゆるびてなほも 雪降れり |
転ぶひと 笑ひて転ぶ 雪の朝 |
老若も 男女も問わず 雪を掻く |
除雪夫や 空の重さに 背をかがめ |
掘りこめば ほのかに青き 雪の洞 |
新スキー 滑るもエアも 後ろ向き エアリアルは、空中演技を競うスキーのフリースタイル競技の1つ。 バックで滑走して来て、空中で5回転して、後ろ向きに着地したりする。 とても人間技とは思えない。北京冬季オリンピック 2022開催中 |
Fly high 雪原に舞ふ 鳥となり |
パシュートの娘ら 冬の蜘蛛のごと滑る |
烈風の 磨きし闇や 寒北斗 |
寒北斗 地球まはれば 北天も |
極北の 空にしあれば 星冴ゆる |
南天に ひふみよーいつ 六連星 |
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