木の実ゴム銃
 
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      2021年 秋 ( 11 )   *  
 秋料理 シェフが自慢の グラン・ボネ
 青春の 屈折蹉跌 青レモン
 レモン切る CTスキャン 異常なし
 レモン切る 古き記憶を 輪切るごと
 青春の狂気 ざくろの実爆ずる
 実ざくろの 一粒ごとの エゴイズム
 哲学を語り 野葡萄噛みくだく
 政治を語り 野葡萄呑みこみぬ
 文学を語り 野葡萄吐き散らす
 野葡萄の 高きはさぞや 酸いからむ
 林檎もぐ 白き喉元 見せもして
 目覚むれば 顔が林檎や マグリット
      ルネ・マグリット画 『人の子』
 林檎切る 半球笑むが ごと開く
 見た目より 病んで痛んで 熟れ林檎
 倦みし世や 芯より腐る 傷林檎
 空爆や 木端微塵の 石榴の実
 実はまろし からたちの棘 入り乱れ
 樫の実や 森は今年も 豊かにて
 六甲の 七坂八道 木の実落つ
 木の実落つ 音に崩るる 座頭谷 蓬莱峡
 どんぐりに 落しどころと いふがあり
 指先に どんぐり帽子 ふたつみつ
 どんぐりの もじゃもじゃ帽子 風に飛ぶ
 ゴム銃や 的得て撥ぬる 木の実弾
 背の伸びて わが身の丈に 合ふ木賊
 真すぐなる 木賊天つく 槍ぶすま
 主なき 屋敷が庭や 柿熟るる
 木守柿 てふには余りに 多き数
 皮剥ぎて 渋柿どもの 首吊るす
 軒低く 柿を吊るして 大地主
 干柿の 皺のリアルを 食しけり
 虚栗 とげにて守る ものもなく
 無為徒食 飽食暖衣 天高肥馬
 もらひ餌や 里いのししの 太り肉
 猪は 豚にはなれず ソクラテス
 鹿伏すや 闇夜に耳を そばださせ

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