ミミズの死骸
 
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      2021年 秋 ( 10 )   *  
 敵将の 首をとるかに 南瓜採る
 叶はざる ものは重しか へぼ南瓜
 厨窓の 光ねりこみ 胡麻をする
 白き糸 垂れて蓑虫 宙吊りに
 芋虫の 体の透けて みどり色
 田鼠来る 身じろぎせずに 蚯蚓鳴く
 死ぬ覚悟 いつでもありと 蚯蚓鳴く
 一徳も なきはあらずと 蚯蚓鳴く
 鳴く蚯蚓 踏んで天下の 一珍事
 蚯蚓鳴く 患部に至る 内視鏡
 文字化けの パソコン蚯蚓 鳴きやまず
 Que Será, Será 蚯蚓ケラケラ 鳴き笑ふ
 蚯蚓鳴く 我はおけらに 礼をなす
 干乾ぶる メビウスの輪や 蚯蚓死す
 誰こたふるや われからの 恋歌に
 喝采や 涙頂戴 村芝居
 古稀過ぎて 耳順はず 馬耳の秋
 株の秋 鼻をつまめば 東京ガス
     ひと昔前、株の立会というのがありました…
 金剛の 腰で分け入る 葛が原
 草虱 かがみつ抜くる 獣道
 付きやすく 離れがたきよ 藪虱
 捨畑や 泡立草の 黄に染まり
 捨案山子 星なき夜も 天を向き
 捨案山子 あつけらかんと 天仰ぎ
 茸生ふ 腐蝕のすすむ 倒木に
 茸生ふ 倒木朽ちて 土となる
 月光の こぼるる森の 月夜茸
 ひと夜にて 茸が消ゆる 神隠し
 舞茸に 百の耳たぶ 森静か
 茸狩る 敵将の首 とるやうに
 鍬入るや 親芋子芋 ざつくざく
 パエリアに 海山の幸 秋の幸
 子供用 ランチョン・マットへ 秋料理
 秋料理 模様のちがふ 平皿に

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