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2021年 夏 ( 2 ) * |
五月雨や 堰堤水を 溢れしめ |
睡蓮や 水より出でて 水疎む |
白蓮や 泥田の匂ふ 朝まだき |
白蓮の 花芯近きに 悟りの座 |
白蓮の 散りゆく刹那 時とまる |
柿の花 こぼれて路地の 昼下り |
死後二年 泰山木が 花の中 |
アマリリス 赤子けなげに 泣き通す |
動かざる 青鷺あをき 影となる |
青葉木菟 聖者のやうに 森に棲み |
青田中 卵抱くのは 雄の鴫 鴫の季は秋 |
青田波 ここが日本の 古ふるさと |
草のいろ 野を染めあげて 青野なる |
葉隠れの コロボックルや 青時雨 |
万緑や 痛し痒しを 吾子言はず |
滴りを 集めて遥か 大河なす |
滝の水 岩に曲がりて 壺に落つ |
新調の 雨具一式 迎へ梅雨 |
七変化 少し遅れて 雨の音 |
みづすまし 水輪に影を くびれさせ |
尺蠖の 一枝と化して 身隠るる |
みごとなる擬態 しゃくとり枝となる |
かたつぶり 殻の中より 糞を出し |
面太し 仏の池の 蟇 |
楽珍や 雌の背にのる 蟇の雄 |
諍ひは 池にもありて 蟇の恋 |
病むときは 蛍袋に 身を潜め |
捩花の ねぢれ戻らず 離婚すと |
悪なすび 大悪人の 相なさず |
人間は 地球の黴ぞ 菌伸ばす |
白黴や リストカットの 跡深く 小学校6年間を同窓で過ごした青年、 幾度となく自殺未遂を繰り返して、 最期には、三島由紀夫の後を追って果てた。 |
黴臭き古書肆や 黙の横歩き |
紙魚齧る わが自信句も 穴だらけ |
結末は 二転三転 紙魚の跡 |
這ふ紙魚の 「安宅の関」に 阻まるる |
蝶誘ふ 形に開く 百合の花 |
跳ひはねて 幼のくぐる 茅の輪かな |
常夏の ひと夜かぎりの さがりばな サガリバナは西表島の自生地で咲く。花期は6~8月。 |
雲海の 底に街あり 山孤高 |
ペンキ塗る 白が眩しき 夏の窓 |
仰向けの 金魚漂ふ 水の闇 |
さみしさに 慣るるひと夜の 屑金魚 |
誰もゐぬ 部屋の闇底 熱帯魚 |
囚はれの 影だに持たず 水中花 |
水を得て 水喜ばす 水中花 |
水中花 嘘に隠せし ひとの裏 |
水中花 誰とも会わず ひと日過ぎ |
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