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2021年 新年・冬 ( 3 ) * |
地震の朝 寒月赤く 残れるを |
冬地震に 身も世もなしに 泣きしひと |
さざんかの 咲きつぐ綾と 散る色と |
さざんかや 散るとき見ゆる 人の裏 |
貝殺し 油の地獄 牡蠣フライ 近松門左衛門作の人形浄瑠璃「女殺油地獄」より |
パソコンの オフの画面の 奈落寒 |
鄧王の 臍を噛みたる 寒さかな 『春秋左氏伝』より |
友垣の ひとり抜けたる 寒さかな |
息白し すれ違ふひと みな無言 |
人行かぬ 貧乏坂を 白き息 |
息白し 太極拳も 未熟にて |
寒中や つゆも動かぬ 鯉の髭 |
寒中に 湯気出るほどな 猿団子 |
封ずれば 溢れて出づる 寒の水 |
寒天へ アンパンマンの アンパンチ |
寒紅を 足してをみなの 意地通す |
外套に 包みきれざる 志 |
蝉氷 羽化もできずに 水と消え |
鍔迫りの 血潮の滝の 凍りけり 『近江源氏先陣館―盛綱陣屋―』より |
凍蝶の 破れし翅を 風が刺す |
野の果ての そのまた果ての 寒鴉 |
寒鶯や 歌を思ひて 声も出ず |
狼の あと追ふやうに 人滅ぶ |
寒猿の 耐ふる泪は 玉なさず |
ああでもなく こうでもなくて 霙かな |
海しぶく 奥須磨さぞや 雪ならむ |
雪吊の ゆるびてなほも 雪降れり |
山里の 音を忘れて 雪積むる |
雪ばんば 泣く子はゐぬか はよ寝たか |
雪降れば 狐狸が里曲に 下りてくる |
口紅を とればむらさき 雪女 |
紫の くちびる裂けて 雪女郎 |
雪激し 云えば言の葉 ちぎれ飛ぶ |
見上ぐれば 雪の奈落へ ずんずんと |
雪嶺を 越えたる雲の 速走り |
雪嶺の ケルンにひとつ 石を足す |
雪合戦 まずは小兵を 狙ひ撃ち |
押し競や 寒いの寒いの 飛んでゆけ |
したたりつ 凍りつ軒の 氷柱なす |
寒風に 肩凝りしげき 仁王像 |
北颪 摩耶の天狗が 空を飛ぶ |
もがり笛 子捨ての鬼母が 狂ひ哭く |
鎌鼬 宿なし棄児が すすり泣く |
裸木や 風のつかまる ところなき |
冬木の芽 風切るさまに 尖りゐて |
老生の 命の端を 隙間風 |
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