2021年 新年・冬 ( 10 ) * | |
361 | 悴むや ヒートテックの 肌着着て |
362 | 悴みて ハンバーガーを ひと齧り |
363 | 指切の 解かるる指の 悴めり |
364 | 灯をともす 指の先まで 悴めり |
365 | 悴むや こころの襞に 血が滲む |
366 | 寒稽古 小手面胴の 技さえて |
367 | フレイルに 相なるまじく 寒の行 |
368 | 傾斜角 三十六度 大シャンツェ |
369 | 肩押して スケート選手 送りだす |
370 | 敵陣へ ラガーがつなぐ 楕円球 |
371 | 監督に 肩抱かれをり 負けラガー |
372 | 寒厨や 魚の死体を 横たえて |
373 | 熱燗や 体のなかの 鬼騒ぐ |
374 | 煮凝を 温め直して 老の朝 |
375 | 産みたての 湯気出るほどの 寒卵 |
376 | 寒卵なれど 産みたて赤卵 |
377 | 雛孵る 寒卵とや 嘘光る |
378 | 温めても 孵ることなし 寒卵 |
379 | お湯かけて 三分たてど 寒卵 |
380 | 寒卵 割りてふんわか 卵焼き |
381 | 牡蠣の香や とうの昔の ふるさとの |
382 | ふるさとの 海の匂ひの 牡蠣を焼く |
383 | 生牡蠣の 焦熱地獄の 汁すする |
384 | 身をとりし 牡蠣の殻より 白き汁 |
385 | 採れたての 牡蠣にまぶせし 天ぷら粉 |
386 | 淵崎の 牡蠣が一番 里の海 淵崎は、「ひびたて式」牡蠣養殖発祥(江戸期)の地。 淵崎は、遅くとも鎌倉期から存在する「邇保島」の中心地。 古くは、神功皇后が三韓征伐の帰途に一泊したことに 由来する邇保姫神社ゆかりの地として知られる。 現在は広島市南区仁保2丁目。黄金橋西詰の淵崎漁港は、 漁村であった頃の仁保地区の面影を今に伝えている。 |
387 | 穏やかや ふるさと安芸の 冬の海 |
388 | 里海や 冬にも凪ぎて かがよへる |
389 | ふるさとは いつも穏やか 冬凪ぎて |
390 | 寒凪の 入江に舟の 出入りなく 広島・淵崎漁港 |
391 | 冬空の 暮れ色尽くる 邇保が島 |
392 | 忘却の 淵へと冬の 海暮るる |
393 | まなうらに 山河ありけり 瀬戸の冬 |
394 | 寒菊や 枯れて晩節 飾りたる |
395 | 靴下の 穴よりのぞく 寒夕焼 |
396 | 寒椿 紅く咲くのも 鮮烈に |
397 | 寒椿 若き胸にも 夜叉が棲む |
398 | 寒燈 柩のやうな 箱電車 |
399 | 寒燈を 消してひと日を 終へにけり |
400 | 鈿女舞へ コロナの冬の 戸を開け |
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