カフェ&レストラン 旧居留地十五番館(2) ** | |
「Cafe de Kobe 旧居留地十五番館」は、2012年2月29日に閉店し、 9月15日、 レストラン「TOOTH TOOTH maison15th」(TEL 078- 332-1515)として新たに生まれ変わりました。 本稿は、閉店前の「Cafe de Kobe 旧居留地十五番館」時代の様子を伝える記録として、 それなりの意味があり、改稿することなく、引き続き公開することにしました。 レストラン「TOOTH TOOTH maison15th」の訪問記はこちらのページをご覧ください。 | |
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このページでは、 旧居留地十五番館の周辺情報をお届けします。 左写真は旧居留地十五番館全景 2階の向かって左隅の部屋で食事しました。 背後の総ガラス張り高層ビルが、 旧居留地十五番館を所有している 建材メーカー・(株)ノザワの本社ビル。 (株)ノザワの概要は、 ノザワ - Wikipediaを参照ください。 |
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神戸開港とともに開かれた外国人居留地 神戸旧居留地の歴史は 1868年の兵庫の開港により始まります。 外国人居留地は、 イギリス人土木技師J・W・ハートの設計をもとに 126区画に整然と分けられ、 外国商館を中心として、領事館やホテル、教会 など、近代洋風建築物が数多く建てられました。 左写真は旧居留地のあちこちにある花壇。 写真中央に「神戸旧居留地」のロゴがあり、 左右に往時を偲ばせる紳士淑女の絵柄が あります。 |
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旧居留地に現存する近代洋風建築群を 東側から順に見ていきましょう。 旧居留地十五番館を一筋、東(京町筋)に行くと、 神戸市中央区京町24番地に 神戸市立博物館(左写真)があります。 神戸市立博物館は、 ・1935年(昭和10)に建てられた 旧「横浜正金銀行」ビルを増改装した 古代ギリシャ神殿風建物の博物館 ・国宝の銅鐸・銅戈や古地図、 南蛮紅毛美術品など 約34000点のコレクションを所蔵しています。 |
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旧居留地十五番館前の通り(浪花町筋)を 南に100m行くと、国道2号線と交差する所に チャータードビル(左写真)があります。 チャータードビル (神戸市中央区海岸通9番地) ・設計者はジェイ・ヒル・モーガン、 1938年(昭和13)に竣工。 ・英国のチャータード銀行神戸支店として 使用されました。 ・正面外壁にはイオニア式列柱、 装飾が施された折れ天井、 全面大理石貼の広大な吹き抜け空間 などがあります。 |
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浪花町筋の一つ西側の通りが播磨町筋。 そのもうひとつ西・明石町筋にある 近代洋風建築を、次に見てみましょう。 左写真は旧居留地38番館。 (神戸市中央区明石町40番地) ・南側正面に4本のイオニア式円柱がある アメリカン・ルネッサンス様式の近代建築。 ・1929年にシティバンク神戸支店として建設。 ・大正時代築の外壁が残されている神戸大丸 百貨店2号館・3号館に隣接。 ・ここは映画やドラマのロケ地として有名です。 |
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左写真は 「NOF神戸海岸ビル」(旧海岸ビル)の4階部分。 (神戸市中央区海岸通3番地) 旧海岸ビルは、旧居留地38番館から 明石町筋を南へ 200m行った所にあります。 |
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旧海岸ビルは、1918年(大正7)に、 ・旧三井物産神戸支店として建てられたビルで、 ・1995年の阪神淡路大震災で被災し、 ・4階までの外壁を残して解体され、 上層に近代ビル11階が増築されて、 現在は、左写真のように 15階建ての複合テナントビルとなっています。 |
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左写真は「商船三井ビルディング」 (神戸市中央区海岸通5番地) 商船三井ビルディングは明石町筋沿い、 「NOF神戸海岸ビル」の向かい側にあります。 「商船三井ビルディング」 ・1922年旧大阪商船神戸支店として竣工、 設計者は渡辺節。 ・アメリカルネサンス様式の7階建てのビルで、 最上部半円の破風やテラコッタ(装飾用の 素焼きの陶器)をあしらった石積みの外壁、 プラスター(しっくい)を使用した内装など が現存しています。 |
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「商船三井ビルディング」は戦災を免れ、 阪神・淡路大震災の時も床の一部に ひびが入った程度ですみましたが、 今後起きる可能性のある東南海地震にも 耐えられるように、表から見えない中庭に ジャングルジムのように鉄骨を縦横に 張り巡らせて耐震補強されました(左写真)。 この補強工事の総工費は数億円。 工期は約1年間で、 2013年1月9日に完成しました。 (この稿は2013年1月11日に執筆しました) |
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東京の旧丸ビルが取り壊された現在、 大正期の大規模オフィスビルとして現存するのは、 大阪ビルヂング(渡辺節 設計)と、 この商船三井ビルディングのみとなりました。 商船三井ビルディングの石造装飾を 見てみましょう。 左写真は 「商船三井ビルディング」西側門の石造装飾。 壁面に施された石造装飾は手がこんでいて、 一見する価値があります。 |
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左写真は「商船三井ビルディング」西側門 上部の石造装飾。 |
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左写真は「商船三井ビルディング」西側門を 入ってすぐ正面の装飾 |
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左写真は「商船三井ビルディング」北側裏門 ボランティア・ガイド (左肘に緑の腕章をつけている人)が、 旧居留地を無料で案内しています。 旧居留地のボランティア・ガイド詳細は、 以下のサイトをご覧ください。 ひょうごツーリズムガイド >神戸旧居留地コース |
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「商船三井ビルディング」追伸(2009.10.12執筆) 本稿執筆後まもなく、大阪ビルヂングは 老朽化のために取り壊すことが決まりました。 大阪ビルヂングはネオ・ロマネスク様式の大楼。 中之島通側玄関まわりの石造装飾を 一目見ただけでも、保存の価値があることが 歴然としているのに…、現代の技術で十分に 補修補強可能なのに…、ああ…。 歴史的遺産というのは、有形無形を問わず、 現在、そこにあるだけで絶大なる価値を 有しているものの総称であって、 人はそれに接するだけで、よき薫育を受けます。 それは、有能な教師を数多く集めても 果たすことができない、質的な高さをもった訓育、 <文化の極み>ともいうべきものであって…、 そうした基となる歴史的遺産を失えば失うほど、 文化は痩せ細っていくのではないでしょうか。 |
本稿は2009年3月に執筆、2009年10月と2012年11月に一部加筆しました。 | |
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