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チリ大地震に思う… 「神戸・防災産業特区」素案 |
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| 「 神 戸 ・ 防 災 産 業 特 区 」 素 案 ** | |
< チリ大地震 > 死者20万人を超える、地震災害としてはスマトラ島沖地震に匹敵する近年空前の大地震「ハイチ地震」。 その傷も癒えぬ2010年2月27日(ハイチ地震から1ヶ月半後)に、 南米チリでマグニチュード8.8 の大地震が発生しました。 チリでは1960年5月22日にも大地震が発生していて、 この時は、地震発生から約22時間半後の5月24日未明に 最大で6メートルの津波が三陸海岸沿岸を中心に襲来し、日本でも142名が死亡しました。 2010年3月3日現在、現地チリでの被害状況は詳らかではありませんが、 一部で略奪や放火などが起こり、危惧すべき深刻な事態が進行中のようです。 < チリ大地震に思う > 15年前に阪神・淡路大震災を経験した神戸に住む者として最初に思うのは、 地震などの大災害は、地球的規模で見ると、ほとんど切れ目なく発生していて、 人類はその度に大いなる惨禍に見舞われているのに、 そのことに思い至るのは、その災害直後だけで、 少し時間がたてば、すぐに忘れてしまう、ということです。 実際のところ、いつ、どこで発生するかわからない大災害に備えるより、 今日、明日の現実の生活の方が大事で、 目いっぱいの生活を強いられている者としては、 防災などは公的機関にまかせておくほかない、 というのが、恥ずかしながら現実のようです。 < 神戸にできること > 阪神・淡路大震災から15年…、神戸は「防災ネットワーク」構築の要・都市として、 微力ながら尽力して来ました。 この「官・民(ボランティア)・学」連携の輪を更に広げて、新しい国際防災都市・神戸になる、 そのひとつの施策として、「神戸・防災産業特区」を提言したいと思います。 < 新たな特区提案受け付けと「神戸・防災産業特区」 > 本日、2010/03/03付けの「日本経済新聞」朝刊記事で、 「枝野幸男行政刷新相は2日の記者会見で、 特定地域に限って規制を緩和・撤廃する構造改革特区の新たな提案を3月末まで、 全国の都道府県・市町村から募ると発表した。 2月26日に行刷相が全国の首長に提案を求める文書を出した」ことが報じられています。 これに、当該企業の免税処置などを伴う神戸発の「防災産業特区」 を応募するのが良いと思うのですが、 こんなことを提言すると、「震災を食い物にして銭儲け」と揶揄されるかもしれません。 が、ハイチ、チリと続く惨禍を目の当たりにすると、 最新の科学技術を応用したり、地震関連研究の最新成果を取り入れたり、 「ものづくり」企業が、その得意な技術を防災分野に応用したり…、 いろいろに企業努力して開発した防災や災害援助のための資材・機材・グッズを生産し 国内外に提供する新産業の創出は急務であり、 その最適地は神戸の他にない、と思はずにはいられないのです。 < 「神戸・防災産業特区」素案 > 防災や災害援助のための資材・機材・グッズを生産している企業は、すでに存在しています。 「神戸・防災産業特区」など新たに必要ない、とお考え方も多かろうかと存じますが、 「神戸・防災産業特区」構想は、以下の点で従来と違います。 ・今までの「防災ネットワーク」構築は、 防災・減災はどうあるべきかという理念型ネットワークと、 人の交流・組織化という人的ネットワークを結合させたものでしたが、 更に、「物」による防災要素がこれに加わります。 防災や災害援助のための資材・機材・グッズが充実すれば、 それによって救われる命もそれだけ多くなるはずで、 そうした物による裏づけがあれば、 より強力な「防災ネットワーク」の構築ができるのではないでしょうか。 ・防災産業ベンチャー企業は、その創設段階においては、種々の公的支援を受けますが、 いずれは自立し、企業活動を展開することによって世界の防災に貢献し、 企業として成長していきます。 ・こうした防災産業に携わる企業が、神戸の地に集積すれば、 それら企業間同士の連携も推し進めやすくなり、 「神戸・防災産業特区」は、その存在意義を高めていくでしょう。 ・すでに実在している防災関連企業の神戸への誘致を推し進めるだけでなく、 神戸の大学など、<学>の研究成果を製品化するベンチャー企業の育成を組織的・継続的に行います。 ・神戸には、「KOBEドリームキャッチプロジェクト」など、ベンチャー企業の育成の実績が すでにあるので、その防災産業版を展開するのになんの支障もありません。 ・ただ、「神戸・防災産業特区」を造ります、企業さんいらっしゃい、と呼びかけても、 参加してくる企業が多くあるとは思えません。 めざすは防災企業の創生とその集積ですから、先は長いです。 ・当座は「神戸・防災産業特区」の器づくりを行い、将来的な展開に備えるということになります。 ・立地場所としては、 西区の工業団地、六甲アイランド、ポーアイU期地などが考えられます。 西区の工業団地は、隣接関連企業が集積していて、部品の調達等の企業間連携が容易です。 六甲アイランド近辺は、<学>との連携の便があります。 先端医療都市や神戸港のあるポーアイU期地は、神戸の中心部に近く、有形無形の利があります。 いずれにしても、企業が進出しやすい地であることが肝要で、 場合によっては、防災関連企業が神戸の地に分散して立地する形でもいいです。 < 「防災産業特区」と神戸の夢… > ・「神戸・防災産業特区」は、神戸が育てた企業が、防災神戸の思いをこめた製品を作りだせば、 その製品はきっと世界に歓迎され、地震災害などに苦しむ多くの人たちの役に立つようになる、 そうした夢に賭けるプロジェクトです。 ・そして、この夢を現実のものとできる潜在的な力を、神戸は持っていると確信しています。 (以上、2010年3月3日執筆) < 追記 > * ・2010/03/20, 日本経済新聞朝刊「インド都市整備受注へ、東芝など企業連合、 4事業、送電網や水道一括、政府が側面支援」よりの抜粋… 「東芝、三菱重工業、日立製作所、日揮を中心とした日本の企業連合は、 インド政府がデリー―ムンバイ間で進める4都市のインフラ整備事業を受注する。 次世代送電網「スマートグリッド」や水道事業などを手掛ける。 横浜市と北九州市もリサイクル事業の運営主体として参加する…」 「日立、日揮の両グループには北九州市と横浜市がそれぞれ参加。 水関連インフラやリサイクルシステムの運営・管理を担ってきた自治体の ノウハウを事業に反映させる…」 ・リサイクル事業という限られた分野とはいえ、横浜市と北九州市が インド都市整備事業に参加するという現実は、サプライズ以外のなにものでもありません。 ・グローバル化の波は、もはや、なんびとも押しとどめることができないものとなりました。 ・この波に乗り遅れた企業や都市の明日は、多分、明るくはないでしょう。 ・良港を持ち、古くより国際都市として栄えてきた神戸は、 グローバル化という点では、他の都市より一歩先んじてはいますが、 新しく工夫することを怠れば、すぐにでも後塵を拝するようになってしまいます。 ・神戸港、先端医療などを更に充実させていくだけでなく、 たとえば、防災産業などの新産業を創出して、世界の中の先進都市になっていく。 ・上記のインド都市整備にも、防災機能の付与が不可欠のはずで、 もしそうだとすれば、そう遠くない将来において、 神戸の育てた防災企業が、行政的な支援を受けて、官民一体となって、 世界のどこかの都市のインフラ整備事業に参加するようになる… そのような展望をもって推進される「神戸・防災産業特区」なのです。 (以上、2010年3月20日加筆) ・2010/03/22, 日本経済新聞朝刊「元気な経済考――稼げる産業をいくつも育てよう(社説)」より抜粋… 「アジアだけで今後10年間に8兆ドル(約720兆円)と見込まれるインフラ(社会基盤)の整備を 巡る商戦も、産業構造転換のテコになる。巨大インフラを受注するには、機器をつくるメーカー単独の 取り組みでは十分ではない。全体の設計や運営を熟知する公益系サービス会社、 つまり鉄道であればJR各社、原子力発電なら電力会社の参画が不可欠だ。 国内に閉じてきたこうした企業も、外に目を向け始めた。JR東海は葛西敬之会長が先頭に立ち、 米国に新幹線を売り込もうとしている。東京都や大阪市の水道局はベトナムなどに水道運営の ノウハウ供与に乗り出した。「漏水率が低い」「浄化技術に優れる」。高度な蓄積を生かした「官業」の 挑戦に注目したい…」 ・東京都や大阪市の水道局の「ベトナムなどへの水道運営のノウハウ供与」が現実のものとなる時代です。 神戸の「防災インフラ整備ノウハウのアジア諸都市への供与」が現実のものとなっても、 なんの驚きも生じません。 (以上、2010年3月22日加筆) |